歯を白くするためにホワイトニングを受けたのに、「思ったよりも白くならなかった…」という声を耳にすることがあります。ホワイトニングは多くの方に効果のある処置ですが、すべてのケースで目指した白さが得られるわけではありません。
この記事では、ホワイトニングしても白くならない原因や、白くなりにくい歯の特徴について解説します。
目次
■ホワイトニングの仕組みを理解しよう
◎色素を分解して白くする処置
ホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤を用いて、歯の内部にある色素を分解し、歯本来の色よりも明るく見せる処置です。
歯の表面の汚れを除去するクリーニングとは異なり、歯そのものの色にアプローチすることで、ワンランク上の白さにできるのが特徴です。
■ホワイトニングしても効果が出にくい症例
◎効果が出やすい人と出にくい人がいる
ホワイトニングは歯の質や変色の種類によって、効果に個人差があります。
もともとの歯の色が黄色っぽい人は比較的効果が出やすいですが、グレー系の色調をしている歯は薬剤の効果が届きにくく、十分に白くならないことがあります。
◎犬歯は色が濃くなりやすい
犬歯は歯の中でも特に厚みがあり、色も黄みがかっているため、他の歯と比べて白くなりにくい傾向があります。
そのため、ホワイトニング後に前歯や隣の歯と色の差が出ることもありますが、数回の処置で徐々にトーンアップが可能です。
◎加齢による変化
年齢を重ねるにつれて、歯の内部構造にも変化が起きます。
歯の表面のエナメル質がすり減り、さらに内部の象牙質が厚くなることで、歯が黄色っぽく見えやすくなります。
そのため、高齢者層は若年層と比べるとホワイトニングの効果が緩やかに感じられることがあります。
■基本的に白くならないケース
◎神経を失った歯は白くならない
過去にむし歯や外傷などで神経を除去した歯は、時間の経過とともに色がくすんでいきます。このような歯は一般的なホワイトニングでは薬剤が浸透しにくく、白くする効果がほとんど出ないとされています。
その場合、ウォーキングブリーチという歯の内部から白くする方法が選択されることがあります。
※ウォーキングブリーチに
対応していない歯科医院もあります。
◎抗生物質による変色
幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用していた場合、歯に灰色や茶色の縞模様が残ることがあります。
この変色は内部まで色素が沈着しているため、一般的なホワイトニングでは改善が難しいことが多いです。
■白くなりにくい歯への対処法は?
◎回数を重ねることで効果が出ることも
一度の処置でどの程度の効果が出るかは患者さまによって変わります。
そのため、オフィスホワイトニングであっても一度目から効果を期待しすぎず、少しずつ白くしていく気持ちで取り組みましょう。
◎ラミネートベニアなどの選択肢もある
ホワイトニングの効果が得られない場合、補綴治療も選択肢の一つです。
例えば、歯の表面に薄いセラミックを貼り付けるラミネートベニアは、色だけでなく形やサイズも整えたい場合に向いています。
この方法は即効性があり、テトラサイクリン歯などに向いています。
※ラミネートべニアに
対応していない歯科医院もあります。
■まずは診断を受けてから
◎ホワイトニングの前には検査が必要
ホワイトニングを受ける前に、歯の状態をしっかり知っておきましょう。
神経の有無や過去の治療歴、着色の状態を確認した上で、歯科医師にどの方法が自分に合っているかを判断してもらってください。
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【白くならない症例もあるので事前にしっかり診察を】
ホワイトニングしても白くならない場合、さまざまな原因が考えられます。
神経を失った歯や犬歯、加齢や薬剤による変色など、歯の状態によっては通常のホワイトニングでは効果が出にくい、または出ないこともあります。
しかし、対処法がまったくないわけではありません。
まずは歯科医院で診察を受け、ご自身の歯に合った方法で治療を受けましょう。