子どもの矯正治療として、古くから取り入れられている床矯正について知っていますか?
顎の成長を促して歯並びを整える方法で、将来的に抜歯を回避できる可能性がある方法として今も広く行われています。
この記事では、床矯正の具体的な治療の流れと注意点について詳しく解説します。
お子さまの矯正治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
■床矯正とは?
◎顎のスペースを広げる治療
床矯正とは、取り外し可能な矯正装置を使って、顎を広げることで歯並びを整える矯正方法です。
特に成長期のお子さまに適していて、顎の骨が成長する力を利用して、永久歯が正しい位置に生えるスペースを確保します。
床矯正は将来的に抜歯を避けたい場合や、軽度の歯列不正に向いている治療法です。
■床矯正の治療の流れ
◎初診・カウンセリング
まずはカウンセリングにお越しください。
治療の計画や費用、期間についての基本的なご説明をいたします。
◎検査
お子さまの口腔内を診察、検査し、歯並びや噛み合わせの状態を確認します。
顎の幅や成長具合を診断し、床矯正が適しているかどうかを判断します。
◎治療計画のご説明
検査の内容を総合的に判断し、改めて治療の計画や費用、期間についてご説明します。矯正治療の準備となりますので、お子さまや保護者の方にご納得いただけるようサポートします。
◎型どり
矯正装置を作るために、歯の型を取ります。
これに基づいてお子さま専用の床矯正装置を製作します。
装置が完成するまでに数日から1週間程度かかることがあります。
◎装置の装着
完成した床矯正装置を装着します。
同時に正しい使用方法や取り扱い方について説明を受けてください。
初めて装置を装着する際は、慣れるまで違和感がある子もいますが、数日で慣れるお子さまが多いです。
◎定期調整
治療が始まると、装置の調整や歯の動きの確認のために定期的に通院していただきます。
通常、1ヵ月~2ヵ月に1回程度の頻度で調整が必要です。
装置のネジを回して、少しずつ顎を広げていきます。
◎保定期間
顎が広がり、歯並びが改善した後は矯正の効果を維持するために保定装置を使用します。
保定期間は床矯正を行った期間と同程度なのが一般的です。
■床矯正の注意点
◎毎日決まった時間装着することが必要
床矯正装置は取り外しが可能ですが、1日12時間~14時間以上装着しないと良い効果が得られません。
夜間や学校から帰宅した後に装着する習慣をつけることが重要です。
装着時間が短いと治療期間が延びるだけでなく、効果が不十分になる可能性があります。
◎違和感や痛みに慣れる必要がある
装置を装着した初期には、違和感や軽い痛みを感じることがあります。
特に装置を調整したすぐ後は、圧力による痛みが一時的に出る場合があります。
歯科医師の指示を守りながら、徐々に装置に慣れていくことが大切です。
◎装置の清掃
床矯正装置は外して毎日清掃を行う必要があります。
装置を清潔に保つことが、むし歯や歯周病の予防につながります。
◎通院スケジュールを守る
定期的な通院は治療の進み具合を確認し、装置を調整するために欠かせません。
通院スケジュールを守らないと、治療効果が十分に得られない可能性があります。
◎管理が難しい場合もある
床矯正は装置の取り扱いや装着時間の管理がお子さま自身に委ねられる部分があるため、保護者の方のサポートが大切になります。
特に小さなお子さまの場合は、治療を継続するために保護者の声かけや励ましが必要です。
【抜歯を避けられる、早い時期からの矯正治療】
床矯正は、子どもの顎の成長を利用して歯並びを整える優れた治療法ですが、成功にはお子さまと保護者の方の協力が大切となります。
治療の流れや注意点を正しく理解し、歯科医師としっかり相談した上で進めましょう。
当院では、お子さま一人ひとりに合わせた治療計画をご提案し、治療中のサポートもしっかり行います。
床矯正に関する疑問や不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。