こどもの歯並びの矯正について検討する際に「床矯正」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
床矯正は小児矯正の一つであり、こどもの成長期を活かした負担の少ない治療法として注目されています。
この記事では、床矯正の基本的な仕組みや特徴、費用、効果、期間について詳しく解説します。
目次
■床矯正とは?
◎床矯正の基本的な仕組み
床矯正とは、取り外し可能な矯正装置を使って歯並びを整える治療法です。
この装置は主に顎を広げることで歯が並ぶためのスペースを確保し、歯の移動を促すものです。
固定式の矯正器具と異なり、成長期の顎の骨を活かして矯正を進めるため、こどもの矯正に適した方法といわれています。
■床矯正の費用
◎一般的な費用相場
床矯正の費用は、装置1つあたり約30万円〜40万円程度が一般的です。
ただし使用する装置の数や治療期間によって費用が異なる場合があります。
治療開始時に一括で支払うことが多いですが、歯科医院によっては分割払いに対応しているケースもあります。
◎追加費用の可能性
床矯正の治療中には、定期的な装置の調整や交換が必要となる場合があります。
これらの費用が別途発生することもあるため、治療前に歯科医院で費用の詳細を確認することが重要です。
■床矯正のメリット
◎顎を広げることでスペースを確保
床矯正は狭い顎を広げることで、永久歯が正しく並ぶためのスペースを作ることが目的です。
これにより、歯並びが自然と整いやすくなるのです。
また顎が広がることで歯の重なりや歯の圧迫感が軽減し、見た目だけでなく機能的にも良い影響があります。
◎抜歯を回避できる可能性
床矯正を適切な時期に始めることで、大人になってから抜歯をしなくても歯並びを整えられるケースが多いです。
顎の成長を利用することで、永久歯が無理なく生える環境を作り出せます。
さらに抜歯を避けることで、残した歯への負担が分散するため、顎などにかかる負担も軽減される利点があります。
◎姿勢や口腔環境の改善
床矯正は単に歯並びを整えるだけでなく、口呼吸を改善し、姿勢や顎のバランスを整える効果も期待できます。
これにより、全身の健康にも良い影響があります。
また、口腔内の広さが確保されることで、舌の位置が正しく保たれるようになり、発音や飲み込みの改善が見込めます。
◎清掃がしやすい
床矯正は、取り外し可能な装置を使用するため食事や歯みがきがしやすく、口腔内の清潔を保ちやすいというメリットがあります。
◎将来的な歯科治療の負担軽減
早期に床矯正を行うことで、将来的な矯正治療や補綴治療の必要性を減らせる可能性があります。
顎や歯の土台が正しく整うことで、むし歯や歯周病のリスクを低下させることにもつながります。
■床矯正の注意点
◎正しく装着する
床矯正の効果を得るためには、装置を適切に使用することが欠かせません。
装着時間を守らなかったり、装置を紛失したりすると、治療が進まないだけでなく追加費用が発生する可能性があります。
また、定期的な通院で装置の調整を受ける必要があるため、スケジュール管理も大切です。
■床矯正の期間、時間
◎一般的な治療期間
床矯正の治療期間は、1年〜2年程度が目安とされています。
こどもの成長や歯並びの状態によって期間は異なりますが、顎の成長が活発な小学校低学年から始めることで、効果的に矯正を進められることが多いです。
◎装置の装着時間
床矯正では、基本的に装置を毎日12時間以上装着する必要があります。
寝ている間だけでなく日中も装着するタイミングが必要で、保護者さまの協力が大切です。
装着時間を守らないと、治療が長引く可能性があるため注意が必要です。
【早い時期から行える床矯正】
床矯正は、取り外し可能な装置を使用して顎を広げ、歯並びを整える小児矯正の一つです。
費用は約30万〜40万円程度で、治療期間は1年〜2年程度が一般的です。
適切な時期に治療を始めることで、成長に伴うお口の健康を守る手助けになります。