小児矯正は、成長期のこどもに対して行う矯正治療ですが、一部の保護者さまや患者さまから「後悔した」「意味がない」と言われることがあります。

この記事では、小児矯正に対するネガティブな意見を紹介しつつ、メリットについても詳しく説明します。

■小児矯正のネガティブな意見

◎後戻りが発生する

小児矯正を行った後、一度きれいに並んだ歯が再び元の位置に戻ってしまうことがあります。

これを「後戻り」といい、多くの保護者さまが心配するポイントです。

こどもは成長と共に、顎の発達や歯の生え変わりが進行するため、矯正によって得られた成果が安定しないことがあります。

◎治療期間が長い

小児矯正は、成長期のこどもに対して行うため、治療期間が長くなることが一般的です。

特に、一次治療（早期治療）と二次治療（本格治療）の二段階に分かれる場合があります。この長期的な治療計画に対して時間がかかり過ぎると考える方もいらっしゃいます。

◎コストが高くなるケースがある

小児矯正は、治療期間が長くなることがあり、装置の調整や交換が頻繁に必要となるため、期間の長さに伴って、総合的な治療費が高額になることがあります。

このため、経済的な負担を感じる方も少なくありません。

特に、保険適用外の治療費がかさむことが、ネガティブな意見の一因となっているのかもしれません。

■小児矯正のメリット

◎早期に問題を発見・対処できる

小児矯正の最大のメリットは、早期に問題を発見し、対処できる点です。

成長期における骨の柔軟性を活かして、顎の発育をコントロールしながら歯並びを改善することが可能です。

これにより、成人期における大規模な矯正治療や手術のリスクを軽減できます。

◎早期からの正しい咬合の促進

早期の矯正治療により、正しい咬合を促進することができます。

これにより、咬合不全からくる顎関節の問題や、食事の際の咀嚼障害を早い段階から予防することができます。

正しい咬合は、全身の健康にも深い関係があります。

◎心理的効果

こどもの頃から美しい歯並びを維持することは、心理的な面でも大きなメリットがあります。

自信を持って笑顔を見せることができるようになり、社会的な活動にも積極的に参加するようになることが期待されます。

これにより、自己肯定感の向上や、学校生活でのストレス軽減にもつながるといえるでしょう。

■小児矯正を成功させるためのポイント

◎定期的な通院とフォローアップ

小児矯正の成功には、定期的な通院とフォローアップが欠かせません。

矯正装置の調整や、歯の動きを確認するために、歯科医師との綿密なコミュニケーションが必要です。

定期的なチェックにより、問題が発生した際にも早期に対応できます。

◎適切な口腔ケア

矯正治療中は、装置が口内にあるため、口腔内のケアが難しくなることがあります。

適切なブラッシングやフロスを使用し、むし歯などにならないよう口腔内を清潔に保つことが重要です。

歯科衛生士の指導を受けることで、効果的なケア方法を学ぶことができます。

◎長期的な視点を持つ

小児矯正は、短期的な結果だけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。

成長期のこどもにとって矯正治療は、将来の健康や長期的な美しい歯並びなど、多くのメリットがあります。

短期的なネガティブな意見に囚われず、長期的なメリットを理解することが大切です。

【小児矯正ならではのメリットも多い】

小児矯正には、後戻りや長い治療期間、高額な費用などのネガティブな意見があります。

しかし、早期に問題を発見して対処できることや、正しい咬合の促進、心理的な効果など、多くのメリットも存在します。

小児矯正を成功させるためには、定期的な通院とフォローアップ、適切な口腔ケア、そして長期的な視点を持つことが重要です。

保護者さまと歯科医師が協力しながら、適切な治療計画を立て、こどもの健康と美しい歯並びを守っていきましょう。